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日野市石田・あおい動物病院

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ちょっと詳しく

デンタルケア①

歯の数について

動物種によって歯の数は異なります。『どのようなものを食べているのか』によって、ちぎる・切り裂く・噛み砕く・すりつぶすなどの働きに応じた歯の種類と組み合わせになっています。

 


咬み合せ・不正咬合について

犬が口を閉じた時の上下の切歯(前歯)の重なり方(咬み合せ)にはシザーズバイト(鋏状咬合)、レベルバイト(水平咬合)、アンダーショット(反対咬合)、オーバーショット(過剰咬合)の4つがあります。ほとんどの犬種では、上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズバイトが正常です。一部の犬種(ブルドッグ、パグ、ボクサーなど)では、アンダーショットが正常となります。

 

乳歯遺残

犬で、時々乳歯が残ってしまうことがあります(犬歯に多く見られます)。また、なかには乳歯が永久歯に生え変わらず混在していたり、一生乳歯のまま、永久歯が生えてこないこともあります。犬歯の遺残の場合、汚れがつきやすく、歯肉炎になりやすいので、乳歯の抜歯が理想です。犬歯は見えているところと同じくらいの深さまで歯の根があるので、歯肉を切開して抜歯するため全身麻酔が必要になります。

 

エキゾチックアニマルについて

ハムスター・シマリス・プレーリードッグ・ジリス・チンチラは、切歯が黄色っぽい色をしていて一生伸び続けます。ウサギ・モルモットは切歯と臼歯(前歯と奥歯)が一生伸び続けます。これらの小動物の場合、咬み合せが悪い(不正咬合)と、餌が食べられなくなったり、口の中が傷ついたりします。時々口元を見て、歯の咬み合わせがおかしくないか、よだれが出たり歯ぎしりをしていないか観察してください。また、食欲の低下、便の変化(小型化や数の減少など)、体重減少がないかなどにも気を配ってください。
不正咬合の場合、定期的な歯のカットが必要になりますが、ウサギの臼歯の不正咬合の場合は、処置に麻酔が必要なこともあります。また、ウサギの臼歯の不正咬合に気づかず、長い間経ってしまった場合、舌の潰瘍や、上顎や下顎の骨に歯がくい込んで、歯槽骨膿瘍や眼窩膿瘍などを起こします。そこまで進行してしまったものは治療不能となってしまいます。
原因としては、不適切な食餌、ケージをかじり続けること、事故、遺伝などがあります。なかでもネザーランドドワーフのオスは他に比べて不正咬合が多いようです。
小さなサインのうちから早めに気づいてあげてください。

 

口の中の環境

人間で『歯のトラブル』というと、まっさきに思い浮かぶのは『虫歯』ですが、犬・猫にはほとんど虫歯はみられません。その理由としては、人の口の中のpHは弱酸性なのに対し、犬猫は弱アルカリ性のため、いわゆる虫歯菌が増えにくい環境にあることや、唾液の分泌がとてもさかんで、唾液中にアミラーゼ(でんぷんを糖に分解する酵素)をもたないため、虫歯菌のエサになる糖が口の中にあまり存在しないことなどが挙げられます(人間・犬・猫ともに唾液中にはリゾチーム・ラクトフェリン・免疫グロブリンIgA・ペルオキシターゼなどの抗菌物質が含まれています)。
一方、口の中がアルカリ性である犬猫の場合、歯石ができやすい環境になります。そのため、人間に比べ何倍もの犬・猫達が歯石や口臭、歯垢や歯石沈着による歯肉炎・歯周炎に悩まされています(2歳以上で80%以上が歯石沈着)。
ちなみに、ほとんどの犬・猫の口の中には、常在菌(普通に存在し正常時には全く害をなさない菌)として、人間には病原菌であるサルモネラ菌やパスツレラ菌がすみついています。『愛犬(猫)に病気をもらってしまった』という悲しい事故を起こさないためにも、むやみに顔や口を舐めさせたり口うつし、お箸等での食べ物の受け渡しは絶対にしないようにしましょう。(上記の菌以外にも人と動物に共通する感染症はたくさんあります。)

 

歯周疾患について

歯垢は目に見えるほどに増殖した細菌の塊です。これらの細菌は歯肉にダメージを与える毒素を産生します。また、歯垢に唾液中のカルシウムが沈着し、歯石となります。それらを放置すると口臭や歯肉の炎症(赤み、痛み、違和感、出血)の原因となり、ひどくなるとよだれ・食餌困難・歯の脱落・根尖周囲膿瘍(顎の骨を溶かして顔が腫れ膿が流れ出す)を起こします。また細菌が血流を介して、肺・肝臓・腎臓・心臓・関節などに悪影響を与えたり、血液中での細菌の増殖を起こすことがあります。

 

猫の難治性口内炎

猫はウイルス感染症によって、口内炎を起こすことがあります。なかでも、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)および猫免疫不全ウイルス(FIV)感染によって免疫力が落ちているときに発症しやすくなります。
また猫に時折見られる病気に『好酸球性肉芽腫症候群』というものがありますが、それにより潰瘍が口唇や口の中にでき、食欲低下や口臭、嚥下困難が起きることがあります。この病気はステロイドホルモンの治療によって改善することが多いです。しかし、中には『リンパ球性プラズマ細胞性口内炎』のような、ステロイドを長期投与しても、また歯をほとんど抜いてしまっても完治せず繰り返してしまう例もあります。ステロイドの長期投与は体に悪影響を及ぼすこともあるため、免疫力を高め、抗菌作用のあるサプリメントを使用することもあります。ステロイドほど即効性はありませんが、穏やかな治療法のひとつです。また原因菌の数を減らすため抗生物質を併用することもあります。ただし残念ながら何を行っても十分な効果が見られない症例もあります。また、口内炎が口の中の原因のみではなく、腎不全などの一症状として起きる場合もあり、総合的な判断が必要となります。

 

デンタルケアとは?(歯垢・歯石・口臭・歯肉炎・歯周炎…どうすればよいの??)

歯の表面の汚れは、ペリクル(目で見えない唾液中の糖タンパクでできた膜) → ステイン(ペリクルや食べ物の着色) → 歯垢 → 歯石と進行していきます。このうち、ペリクルは生理的なもの、ステインも病的ではありません。歯垢・口臭はコート剤、特殊なフード、歯磨き、ガム、ブラッシング、動物用歯磨きペーストなどで減少させることができます。しかし、歯にカチカチにこびりついてしまった歯石は全身麻酔や鎮静処置のもと、超音波スケーラーや専用の歯石除去鉗子を用いて除去する以外にありません。おとなしい子であれば無麻酔下で、口をあけて鉗子で歯石を大まかに砕くこともできますが、でこぼこに残った歯石の上には、すぐまた歯石が蓄積してきます。少しの時間稼ぎにはなりますが、獣医師によるスケーリングと同等の効果は望めません。現在無麻酔下でのスケーリングは推奨されていません。無麻酔下での歯石除去等の口腔内を処置することで恐怖心を覚えたり怪我をさせてしまうこともあり、トラウマから口もとを絶対に触らせたがらなくなってしまうケースも多くみられます。また、歯周病は歯の尿面上の歯石の除去だけでは治療効果はなく、歯周ポケットのケアができなければ全く予防効果はありません。
みかけ上真っ白な歯でも重度の歯周病であるケースも多くみられます。むしろ、みかけ上歯石がついていないので飼い主さんが歯周病の進行を見落としてしまい気がついた時には取り返しのつかないほど歯周病が進行してしまっているケースも良くみられます。
病院での処置では、ぐらついたり、歯周炎を悪化させている歯はほとんどを抜歯してしまうこともあります。抜歯というと、その後の食餌管理が心配だと思いますが、野生の動物と違い、人間の管理下にある動物はペットフードをたべているので、咬みちぎる必要はなく、丸のみで食べても消化に影響はありません。もともと歯があってもけっこう丸のみです。
以下に、家庭でもできる当院お勧めのデンタルケアについて紹介したいと思います。(デンタルケア用品はいろいろ工夫された新製品が次々開発されていますので、詳細はご相談ください。)

 

1.コート剤

①マキシガード
使用前にジェルに付属のビタミンCを添加し、よく振り混ぜます。動物の臼歯が見える程度に唇を持ち上げ、左右の奥歯の側面に2~3滴づつ滴下します。また、できれば滴下後歯ぐきを直接マッサージします。ジェルは冷蔵保存し、青色が茶色になるまで使えます。口臭、歯垢の付着予防に効果があります。

②アクアデント
飲み水に加える液剤です。キシリトールを使用しておりますが、規定量で使用する場合の毒性の心配はありません。何とかしてケアしてあげたいけど、非協力的な動物に行える方法でしょうか。

 

2.特殊なフード

とても大粒で、線維に富んだt/dというフードがあります(犬用大粒・小粒、猫用)。大粒で砕けにくく、かじる時に線維が歯をこすりながら歯垢を落としていきます。低カロリーの総合栄養食なので、毎日の主食にすることもできます。スケーリング後に100%t/dで管理すると、かなりの歯垢・歯石付着予防効果がありますが、おやつとして与えるだけでも効果があります。スケーリングを行わない例でもそれなりの効果が認められ、飼い主さんから『口臭が減った』との声も聞かれます。結構食感を好む動物もいるようです。

 

3.歯磨きガム

歯磨きガムは、咬むことで研磨および唾液の分泌を促し、歯の汚れを取れやすくするものです。当院では、それらの作用に加えて、C.E.T.二重酵素システム(グルコースオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、チオシアン酸カリウムを配合して唾液中のハイポチオシアンイオンの産生を促し、口の中の酸素量を増やす作用があります。酸素が増えることにより口の中の嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が増えにくくなり歯垢や口臭をコントロールします。)を採用した高品質のガムを紹介しています。

①ベジタルチュウ(S、M、Lサイズ)
100%植物原料由来、消化率97%以上のものです。便量も増えず、丸のみしても消化してしまうので胃腸内異物となることがありません。やわらかめなので、2~3か月令の『かむこと』を学習し始める子犬から与えられます。Z型の形状で、犬がかみつきやすく、万一飲み込んでしまったときでも気道が確保できるように配慮されています。子犬のころからじっくりかむ習慣をつけると、大きくなっても丸のみしない習慣ができます。成犬でもおいしく歯とおなかにやさしいおやつを探している方にはお勧めです。

②ビルバックチュウ(S、M、Lサイズ)
牛皮とチキンを主原料にしたチキンフレーバーのガムです。ベジタルチュウよりかみごたえがあります。天然素材を使用しているので、色・形に多少のばらつきがあります。ベジタルチュウをあっという間に食べてしまう犬に向きます。

③ビルバックチュウ(猫用)
猫の歯に合った層状構造のガムです。

 

4.ブラッシング

子犬からしつけの一環として、また成犬でも口を開けたり、口の中を触ることを嫌がらない動物が対象になります。
はじめは、ガーゼや軍手をはめた指で臼歯の表面と歯肉を2~3回こするだけで十分です。
上手にできるようになったら、小児用または大人用の小さめの歯ブラシ(切歯2本分のブラシの大きさ)でかるく歯と歯肉をブラッシングします。はじめはごく短時間歯ブラシをあてるだけからスタートし、慣れるに従って丁寧に磨いていきます。基本は、力を入れずソフトタッチです。
究極のブラッシングは、口をあけ歯の内側まで磨きます。ここまでくればスペシャリストです。

 

5.C.E.T.犬猫用歯磨きペースト

ガムのところで紹介したC.E.T.二重酵素システムを採用した歯磨きペーストがあります。ブラッシング時にガーゼや軍手、ブラシにつけてブラッシングするのも良いですし、かじって遊ぶおもちゃの塗りつけてあげるのも効果的です。酵素が口の中に入れば効果があるので、舐めさせたりご褒美であげるのも良いと思います。チキン、モルト、シーフードの3フレーバーあります。
また、歯磨き時には、人間用の歯磨き粉(乳幼児用であっても)は使用しないでください。人間用は飲み込むことを想定して作られていませんし、犬猫はうがいができません。胃腸炎をはじめ体調をこわす恐れがあります。

歯肉炎・歯周炎になってしまったら…
治療法として、抗生物質、ステロイド、免疫抑制剤、流動食、サプリメント、スケーリング、抜歯、レーザー治療などいろいろありますが、動物の体調や飼い主さんの希望によって個々の方針は変わってきます。また、歯肉炎・歯周炎のみの問題ではなくて感染症、腎不全、腫瘍が原因で合併症としてあらわれていることもあります。早めにご相談ください。

デンタルケアを早速始めたい方、始める前にもっと詳しく知りたい方は当院スタッフにご相談ください

 

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